俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?
でも優依は容赦しない。

「違うなら、なぜそう言わないのですか?
波風立てたくないから、後で自分にお鉢が
回ってくるのが嫌だから、自分が仕える
上司を貶められてもへらへら笑って
やり過ごすんですか?」

二人とも言葉が出ない。

優依の剣幕に推されていた秘書室長がはっと我に返った。

そして最悪な事に当の本人の研吾が顔を出した。

「どうしたんだ、ここは北極かと言う程の
寒さだなあ。西本の声が大きいから外まで
聞こえてるぞ」

「すいません」

と優依は頭を下げた。

「ついでに言っとくが、彼女を引き抜いたのは
ヘッドハンテイングだ。俺が彼女の能力に
惚れ込んだんだ。まあその内わかるだろ。
西本の言う通り副社長として俺に課された
課題になくてはならない人でもある」

そう言うと田村室長に向き直って

「室長一人一人聞き取りをして俺に対して
不満があるようなら、それもきちんと
伝えてくれ、そして秘書として
社会人としての矜持の持てないものは部署を
替わるように手配しろ。入社1カ月にも
満たない西本にここまで言われて情けないよ
それと松井後で時間を作るから言いたい事は
その時に聞こう」

松井は顔面蒼白になっている。

「別に言いたいことなんかありません」

と震える声で小さく呟いていた。

結局松井はそれからすぐに早退して逃げた。
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