俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?
そして少し甘い揚げのきつねうどんを美味しそうに食べる研吾を見つめながら話し始めた。

「今日蓼科に行ったでしょう」

「そうだったな。どうだった美術館」

「すごくよかった。やっぱり写真じゃなくて
実物見るのって違うよね。細かいところまで
観察しちゃった。雑誌には内部の写真は
乗ってなかったでしょう?
中も木の温もりが感じられる素敵なデザイン
だったよ。研君も特別展が陶磁器
だったから楽しんでたよ」

「その研君は勘弁してくれよ。
ドキッとする。
でも早めに見に行きたいな」

「うん、桑田さんがね、大滝もぜひ
見に行ってくださいって言ってたよ。
ちょっと山の中歩くから今回は
やめにしたけど、研吾と行く時には
そこも行きたい」

「分かった。今度の土日はどう?」

「今度の土曜日は研、じゃなかった会長と
おばあちゃんの所に行くことになってるの
だからその次の週にして」

「なんだ、また次の週も爺さんに優依を
取られるのか?そうだそれなら
俺も一緒に行く」

「うん、ありがとう。おばあちゃん喜ぶよ
研吾が大好きだから、それでね。
今日会長は結城グループの事色々話して
くれたんだ。大阪のホテルは30年前に
会長が手掛けた事やそれがホテル事業の
発端だったって、研吾はまだ歩いても
いなかったって言ってた。
その頃の名前はホテルキャッスルだったって
知ってた?まんまで笑いそうになったわ」

「知ってたよ。そのネーミングのセンスも
どうなんだって思ってた。ただ大阪城が
見えるからだろう?」

「うんそうらしい。それを気に入って
あそこにホテルを建てたみたい。
それでその後10年前に東京と札幌の
ホテルができてその時に名前も変えた
らしいね。その2つを手掛けたのが
現社長だって言ってた。今の社長が
結城グループを今の規模にまでに
押し上げたって、バブルがはじけた時も
びくともしなかったって社長はすごいって
息子ながら感心するって言ってた。
だから、研吾は大変だって、そんな偉大な
父親を越えなければいけないからって、
自分みたいに小物の父親なら研吾はすでに
超えてるけどなって、だから私に研吾を
支えてやってほしいって言ってくれた」

「優依は何て返事したんだ」

「もちろん私でよかったら全力で
支えますって言ったよ」

「本当?ならすぐに結婚しよう。
明日ここに越してきて」

それは嬉しそうに目をキラキラさせて研吾はそう言った。

「そう言うと思ったよ。でももう少しだけ
待ってほしいの。おばあちゃんが今の施設で
本当にやっていけるか無理してないかわかる
まで待ってほしい。もし無理して我慢して
いるならおばあちゃんの帰る家を守っていて
あげたいの。もし帰って来るようなことに
なればその時考えるけど、研吾の側にいる
為にどうしたらいいか考えようと思う」

「優依は本当に優しいな。
おばあちゃんが大好きなんだな」
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