俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?
そうして、11月の半ば優依は結城家御用達の病院で元気な男の子を生んだ。

その日は研吾が出張で心配しながら出かけたのだがやはりその夜優依は産気づいた。

冷静に痛みの間隔を図っていて、もう少し間隔が短くなったらタクシーを手配して病院に行こうと思って用意していたものを確認していたら、どういう訳かその時爺様から電話がかかってきて、陣痛かもと言うと桑田の運転ですっ飛んできてくれた。

病院にもすぐに電話してくれたらしい。

用意周到な爺様が、間隔が短くなってきたので優依に付き添って病院まで連れて行ってくれた。

すぐに研吾に知らせが行ってとんぼ返りしてきてくれたので、ギリギリ出産に間に合ったのだった。

病院には結城家の家族が勢ぞろいして分娩室の前で待っていてくれたらしい。

研吾は分娩に立ち会って赤ちゃんが泣き声をあげた瞬間感動で男泣きしていた。

優依の処置も終わり初乳を飲ませて研吾に渡された息子を、宝物のように抱きあげて分娩室の外で待つ家族に会わせたのだった。

中にいた優依まで爺様の泣き声が聞こえてきた。

ほんとに嬉しかったのだろう。

爺様は何時間も優依に寄り添い、義母はずっと腰をさすっていてくれた。

二人には引っ張りまわされたが今にしてみれば楽しい思い出になっている。

爺様は曾孫を離さず義母は抱かせてもらえなかったと悔し泣きしたそうだ。

何とも結城家は世間離れしているとつくづく思う優依だった。

研吾は息子の名前を柊吾と名付けた。

研吾は時間が空くと日に何度も病院を訪ねて来ては柊吾を抱いていた。

そして来るたびに優依に甘いものや優依の好物の寿司を持ってきてくれる。

勿論爺様は毎日来ている。

出産の次の日には祖母を連れて来てくれて、優依も久しぶりに祖母に会えてうれしかった。

祖母は柊吾を抱いて研吾に似てもうすっかりイケメンね!などと言って喜んでいた。
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