俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?
柊吾はおっとりとしためったに泣かない育てやすい子供だった。

きっとみんなに愛されて、いつも気持ちが満たされているのだろう。

駄々をこねることもなく嫌な時には嫌と言って頑として譲らない頑固さがあるが、きちんと言い聞かせて自分が納得すれば我儘は言わない子だ。

研吾は柊吾に理論立てて言い聞かせるのがうまい。

子供だからといい加減にせず分かりやすい言葉で時間をかけて話をする。

柊吾はそんな研吾のいう事を一生懸命理解しようとするかのように聞いている。

そして最終的に納得するのだ。

研吾の我慢強さには恐れ入る。

優依には到底できないつい大きな声が出てしまいそうになるが、口をぐっと引き結んで絶対に引かないぞと言う顔をする柊吾には勝てる気がしない。

説得は研吾にお任せにしている。

柊吾がちょうど1歳になるころ、沖縄のホテルが完成した。

そして今日は完成したホテルに結城家家族一同と優依の祖母も連れてやってきた。

研吾も社長も夫婦でプレオープンイベントのパーテイに出席するためだ。

榊夫妻も来賓で招待している。

研吾と優依が中心になって立ち上げたホテルなので優依も感慨深いものがある。

最後の大詰めの時はあまり役に立てず申し訳なかったが思い入れはたっぷりとあるのだ。

榊夫妻と研吾と優依の4人で、何度も何度も話し合ってコンセプトを決めたのだ。

東京、大阪、札幌のホテル・ラ・ルミエールとは違った視点でのコンセプトになった。

妖精ではなくルミエール本来の意味”光“に焦点を当てたのだ。

客室も間接照明などを利用して色々なイメージの部屋に仕上げている。

屋外のプールも夜になるとプールの底に埋め込まれた照明でここは妖精のアウトラインが浮かび上がるようになっている。

プールの廻りの植栽も夜にはイルミネーションが点されて洞窟バーも幻想的な雰囲気になる。

小高い丘の上にあるホテルが夜空に浮かび上がるようにライテイングが綿密に設計されていて光のホテルと言う異名を頂戴することになった。
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