隠れる夜の月

 ――気づいた時、三花は拓己にすがりつくように抱きついていた。

「あ、す、すみません……」

 離れようとした刹那、抱き寄せられる。

「いいよ。……そろそろ、三花を抱きたい。いい?」

 どくりと、心臓が波打つ。引き返せない状況と想いをあらためて認識させられた。

「……はい」

 返答にうなずき、拓己はバスローブを脱ぎ捨てる。思いもしなかった筋肉質な体と、存在を主張するものが視界に入り、また一気に恥ずかしくなって目をそらす。

 少しの間の後、彼が再び覆いかぶさってきた。
「ちゃんと着けたから」という一言に、ここへ来る途中にコンビニで買っていた物を思い出してしまった。そんな場合ではないのに、様々な思考が交錯して軽く混乱する。

 膝を割られ、大きく開かされた足の間に、拓己が膝立ちになった。

「ごめんな、最初のうちは痛いと思う。でも絶対気持ち良くさせるから」

 仕事の時にも見たことがないような、真剣なまなざし。言葉の真摯さが沁みて、胸がいっぱいになった。返事を声には出せず、ただ一度うなずく。

「……入れるよ」

 濡れそぼった場所にあてがわれたものが、先端をそこに埋める。彼の腰が押し出されるたびに、少しずつ慎重に、中を進んでくる。

「――――っ、う、あ…………」

 指とは比べ物にならないほどの大きさと熱さ、そして圧迫感の強さ。経験したことのない苦しさに、三花は体をよじった。
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