冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
父は三年前、強盗致傷の罪で起訴され、裁判で有罪判決が出た。懲役七年の刑に服しているので、今も刑務所にいる。
絶対にそんなことをする人ではないのに、強盗現場に父が仕事で使っていたチューニングハンマーが落ちていた。それに被害者の血痕が付着していたのが決め手だった。
私も、そして弓弦も裁判を傍聴していたけれど、当時の担当検事が父に向ける『お前がやったんだろう』という刃のように鋭い眼差しが忘れられない。
できることなら父のそばに駆け寄って、私たちは味方だよと励ましてあげたかった。そして、父の代わりに検事を睨み返してやりたかった。
郡司さんという父の担当弁護士はとても親身になって相談に乗ってくれて、なんとか控訴してくれた。
でも、新たな証拠も証人もない状態で一審での判決が覆ることはなかった。
父は家族に迷惑をかけた負い目からか、自分のことは忘れてくれと言わんばかりに刑務所での家族との面会は完全拒否。
母は心労から体調を崩し、元々患っていた心臓の病が悪化。事件の翌年に帰らぬ人となり、当時まだ中学生の弓弦を支えるためには、私が大学を辞めて生活を支えるしかなかった。