冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
そう思うと切なくなって、一度離れた彼の唇に、今度は自分から唇を重ねた。
神馬さんの鋭い視線が至近距離で突き刺さり、目を逸らせないと思った瞬間、肩をグイッと抱かれる。それから噛みつくようなキスで唇を塞がれた。
「ん、ん……っ」
触れるだけのキスとは明らかに違っていた。息継ぎのタイミングもないくらい何度も唇が重なり、時に強く吸われる。
たまらずこぼした吐息まで貪るような凶暴な動きで唇を食まれると、心と体の両方が熱く痺れた。
「こうなることがわかっていたから、唇は避けていたのに……」
苦し気で、それでいて情熱の滲んだ声が震える。
「琴里」
「は、はい……」
「……検事の俺が憎いか?」
至近距離から、瞳を覗かれる。
そんな質問……今の私には、正確に答えられる気がしない。
彼の提案する条件を飲んで婚約者になり、それでも検事である彼の思惑通りにはさせない、とスパイのような気持ちで同居生活を始めた。
しかし、今のところ彼にとって不都合な情報は見つかっていなかった。彼の不在中にこっそり私室を探ってみたりもしたけれど、収穫なし。
考えてみれば、検事がそう易々と事件の情報を職場の外に持ち出すわけがない。
きっと規則で禁じられているだろうし、規則を破って持ち出したとしても、私みたいな者が簡単に見つけられない場所に隠すだろう。