冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
「鏡太郎さん、お風呂もまだじゃないですか」
「面倒だな。でも、琴里が付き合ってくれれば今すぐ立ち上がれる気がする」
「わ、私はもう入りましたよ!」
「でも、今のきみは俺の痕跡だらけだ。もう一度綺麗にした方がいいだろうから、一緒に行こう。立てないなら運んでやる」
言葉巧みにお風呂へ誘って来る鏡太郎さん。そんなに一緒に入りたいのかと思うと、なんだか彼がかわいらしく感じられた。
彼の腕の中で身じろぎした私はお互いの額同士をこつんとをぶつけ、悪戯っぽく彼の瞳を覗く。
「今度は鏡太郎さんがワガママになっちゃいましたね」
「……許せ。きみの前でだけだ」
「私は特別ですか……?」
「当たり前だろう。あれだけわからせたのに、まだ疑っているのか?」
鏡太郎さんは呆れたように笑っているけれど、何度聞いたって不安なのだ。
この幸せはいつまで続くのか。いつか終わりを告げられた時、私の心は耐えられるのか。
「もう一度だけ……ちゃんと、言ってください」
気休めにしかならなくても、彼からの甘い言葉が欲しい。
そんな切実な想いで頼み込むと、彼は愛おしげに目を細め、私の頬に触れた。
「何度だって言うさ。――愛してる、琴里」
「……ありがとう。私も、大好きです」
目を合わせて微笑み、触れ合うだけの口づけを交わす。
刻々と夕食の時間が迫っていたのに、私たちはなかなかお風呂に移動する気になれず、素肌を重ね合わせて抱き合う心地よさに酔いしれた。