冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す

 翌朝も、目覚めのキスを交わしただけで鏡太郎さんはその気になってしまい、布団の中で浴衣を剥がされて、そこに潜り込んだ彼が素肌のあちこちにキスを落とす。

「鏡太郎さん、ダメ……朝ですってば……」
「……朝から恋人を抱いてはいけないという法律はないだろ」
「法律は、関係……ない、んんっ」

 快楽を覚えた体はすぐに熱くなって、あきらめたように彼がくれる刺激に集中しようとした時だった。テーブルの上で、私のスマホが鳴りだした。

「電話……こんな朝に誰だろう?」
「とにかく出た方がいい。弓弦くんかもしれないだろ」
「そ、そうですね」

 はだけた浴衣を整えつつ、ベッドから下りてテーブルのスマホを確認する。

 発信者の番号は非通知設定だった。少し迷いつつも、弟関連だという可能性も捨てきれないので通話をタップした。

「はい。村雨ですが……」
『村雨琴里か』

 相手がそう言った瞬間、ドクン、と鼓動が嫌な音を立てた。スマホから聞こえてきたのは、男性か女性かもわからない、ボイスチェンジャーを使った声だったのだ。

「あの、どちらさまでしょう……?」

 平静を装い、問いかける。鏡太郎さんもなんとなく私の不穏な様子に気づいたようで、こちらをジッと見つめている。

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