冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
そこには、懐かしい彼女たちの姿があった。プライベートで出かけて来たのか、どぎつい……もとい、鮮やかな色の私服に身を包んでいる。
ここで再会したのも何かの縁かもしれない。琴里の関係者で話を聞けそうなのは、そもそも彼女たちくらいしかいないのだ。
「ご無沙汰しています。私が東京を離れる以前も同じことをお聞きしたと思うのですが、琴里の居場所について何か心当たりがありましたら、教えていただけないでしょうか。……この通りです」
藁にもすがる思いで、丁寧に頭を下げる。ふたりは怪訝そうに顔を見合わせた。
「この生気のない顔……やっぱり、あたしたち勘違いしてたのかしら」
「アンタのこと、てっきり琴里ちゃんをこっぴどく振った悪い奴かと思い込んでたけど……どう見ても、ジンちゃんがフラれた方みたいな顔してるわねぇ」
紅白婦人は注意深く俺を観察すると、「とりあえずなにか食べて元気を出しましょう」と、近くの居酒屋まで俺を引っ張って行った。
「それで、琴里の居場所は……」
ご婦人たちがビールや適当なつまみ、俺が烏龍茶を頼み、それらがテーブルに並んだ頃。
食事どころじゃない俺は、しびれを切らしたように尋ねてみる。
「どうする? 白浜さん。琴里ちゃんからは口止めされてるけど」
「ジンちゃんに受け止める覚悟があるかしらねぇ」
「そうね。二年前とは状況がまったく違うし……。そういえばあたし、郵便局で切手シートと交換してきたから、ちょうど琴里ちゃんのアレ持ってるわ」
「そうなの? ってことは神様の思し召し……?」