冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
相手が他の男という可能性もゼロではないが……いや、琴里に限っては、ゼロと考えていいだろう。
彼女はそんなに器用な女性じゃなし、想像しただけで嫉妬でどうにかなりそうだ。
こんなに重要な事実をずっと知らされずにいたのはショックだが、検事正に脅されていたならそれも致し方ない。むしろ、子どもたちを守るためにも、俺に伝えるわけにはいかなかったのだろう。
しかし、強いように見えてその裏でひとり悩みを募らせてしまうのが、琴里の性格だ。いくら弓弦くんの助けがあったとしても、妊娠も出産も心細かったに違いない。
このままひとりで抱え込ませるわけにはいかない。
なにより、琴里とこの子たちに会いたい。
俺は年賀状を手にしたまま、紅林夫人に真剣な目を向ける。
「これ、お借りしていてもいいですか?」
「いいけど……会いに行くなら生半可な気持ちじゃダメだよ。双子も琴里ちゃんも全部丸ごと愛せるって自信がなくちゃ――」
「あります。他の誰かを愛そうだなんて考えたこともない。琴里じゃなきゃダメなんです。子どもたちのこともきちんと、彼女と話し合いたい」
間髪入れずに熱弁をふるった俺に、ふたりとも面喰らったような顔をする。