冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す

 鏡太郎さんと再会してから一週間が経った。彼がアパートを訪ねてくるのではと心配していたけれど、今のところその気配はなく、弓弦と双子たちとの生活はバタバタながら穏やかだ。

 昼の授乳を終え、珍しくふたりが同時に寝入ったところで、私は冷凍ご飯を温めて食べる。

 卵を割るのも納豆を混ぜるのも億劫なので、ただのふりかけご飯にする。

 毎日子育てに追われていると、手間もゴミも洗い物も少ないに越したことはないのだ。

 もぐもぐとご飯を咀嚼しながら、音量を落としたテレビのワイドショーを見る。

 よく見ると、画面上に気になる文言が見えた。

【東京地検の不祥事 最高検察庁次長検事も関与か】

 不祥事……どんな内容なんだろう。

 音量を上げようとするも、リモコンが見つからない。キョロキョロしていたら、テーブルに置いていた私のスマホが突然鳴りだした。

 電話に出るより先に、慌てて着信音のボリュームを下げる。

 せっかくふたり同時に寝ているんだから……!

 双子用のベビーベッドのをちらっと見るとふたりとも微動だにしていない。

 ホッとしたところで、スマホを確認する。

【着信 郡司弁護士】

 久々にその名を見たのでドキッとした。父の裁判を担当してくれていた弁護士さんだ。

 まさか、獄中の父になにかあったんじゃ――。

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