冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
「ついさっき、弁護士さんからも再審ができそうだと連絡がありました。それも全部、鏡太郎さんが調査を続けてくれていたおかげなんですか……?」
「……いや、俺も厳しく目をつけられていたし、今の勤務地は青森地検だから、俺の依頼で実際に事件のことを探ってくれていたのは父だ。前に話したことがあるだろう、暑苦しい刑事の父がいると」
「あ、青森地検……? 全然知りませんでした。それも権藤検事正が?」
お父さんにまで協力を仰いでたというのも驚いたけれど、彼が東京地検から転勤していたのも寝耳に水だった。
「ああ。しかし不当な異動だったはずだから、戻してほしいと申し出れば今回は聞き入れてもらえるはずだ。……琴里のいない北国は、やけに寒く感じたよ」
切なげにそう言った彼が、手を伸ばして私の頬に触れようとする。
しかし、触れるぎりぎりでパッと顔を背けた。今は双子の母として、この生活を守るのが最優先だ。流されてはいけない。
「じ、事件を解決してくださったことと、舞鶴さんから助けてくださったことは感謝しています。でも、それだけです。私たちはもう無関係の人間です」
「関係なら、ある」
「どうしてですか。私たち、もう婚約者でもなんでもな――」
声を張り上げる私を黙らせるかのように、鏡太郎さんの腕がグイッと私を引き寄せ、その胸に抱きしめた。懐かしい彼の温もりに包まれて、鼓動が高鳴る。
絆されちゃいけないと思うのに、抵抗できない。