冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
「……ここにも。ここにも書いてある。そんなこと書いたって、私が無罪になるわけじゃないのに……ああ、こっちにも」
琴里の父は苦笑しながらも、声を震わせた。
俺はまだ父親になって日が浅いが、我が子が必死になって自分を守ろうとしてくれていたことを知ったら、たまらない気持ちになるだろうということくらいわかる。
どうしても彼を説得したくて、俺は再び口を開いた。
「彼らは本当にあなたの帰りを待っているんです。ですから、どうか一度だけでも……直接会ってやってくれませんか?」
琴里の父が、洟をすすって吐息をこぼす。そして、泣き笑いのような表情で俺を見た。
「わかりました。勇気を出して、会ってみることにします」
「ありがとうございます……!」
「こちらこそ。娘のためにこんなに一生懸命になってくれて本当に感謝しています」
検察のせいで数えきれないものを失ったであろう彼なのに、そちら側の人間である俺を恨んだりすることはなかった。
その心の清らかさは琴里と弓弦くんにも通じるものがある気がして、やはりあなた方は親子だと、声に出さずに思った。