冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す

 再会の場は、俺たち家族の自宅にした。もちろん弓弦くんにも同席してもらう。

 琴里のお父さんは人目が気になるようだったし、一歳半の双子を連れての外出はいつも予想外のことが起きるから落ち着いていられない。

 最近はふたりとも「わんわ」「ぶーぶ」など、意味のある言葉を発するようになってきて天使のようにかわいい反面、自分の足で歩けるようになり、あちこち行ってしまうから目が離せないのだ。

「まんま、まんま」
「ダメよ開、じーじが来てから」
「まんまっ! まんまっ!」

 約束の時間を昼の十二時にしたため、開はお腹が空いて機嫌が悪くなってきた。幼児用の椅子に立って、テーブルをバンバン手でたたいている。

 琴里はキッチンで料理の支度をしているので相手ができないようだ。

 ソファで結を抱っこしながらじゃれ合っていた俺は、いったん結を下ろしてダイニングへ移動した。

 テーブルには着々とおいしそうな料理が並び始めていて、開が待ちきれない気持ちになるのも仕方がない。俺は子どもたち用のひとくちおにぎりを皿からひとつ取って、口元に差し出してやる。

「ほら、開。一個だけな」
「やーよ」
「えっ? 食べたいんじゃないのか?」
「やーよお!」

 ますます不機嫌になった開に、おにぎりを持った手をバシッと叩かれる。まったく痛くはないが、親切心を無下にされて落胆する。

< 204 / 211 >

この作品をシェア

pagetop