冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す

「今日は来てくれてありがとう、お父さん」
「……いや。本当に、琴里たちにはなにもしてやれなくて……長い間、ごめんな」
「いいんだよそんなの。こうして元気でいてくれただけで」
「……そうか。ありがとうな、琴里」
「うん」

 短い会話だけでも、琴里のお父さんが安心したのが伝わってくる。

 それから弓弦くんも席にやってきて、琴里とまったく同じようにお父さんとの再会を喜び、謝る必要はないと言っていた。

「……それにしても、驚いたな」

 乾杯を終え、ようやく食事にありつけた開と結が大人しくなった頃。それぞれ自分専用の用事居座る二人を交互に見つめ、琴里の父が言った。

「この子たち、小さい頃の琴里と弓弦にそっくりだ」
「え、そうなの?」
「ああ。……刑務所の中でさ、お前たちに申し訳ないと思いながらも、家族四人で幸せだった日々のことを何度も思い出してた。小さい時の琴里も弓弦も、こういう澄んだ目をしてた」

 確かに、開も結も、この世には素晴らしいことしかないと信じきっているような、曇りのない瞳をしている。大人にはない純粋さに、俺はいつも心が洗われる。

< 206 / 211 >

この作品をシェア

pagetop