コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
そしてその花を市場の花屋さんに買って
もらえるようになったのだ。

中でも初夏に咲くバラは見事でバラの時期
には売り上げも倍になった。

リリーが育てる花は色も美しく長持ちする
のだと言って、花屋さんは毎回持って
いった花をすべて買い上げてくれた。

花を売ったお金は全て院長先生に渡すのだが
そのお金で皆のおやつや洋服や学用品などを
買うことができた。

院長先生は花の売上げから少しずつリリーの
為に取っておいてくれた。

それを15歳になって孤児院を出る時に
そっとリリーに渡してくれたのだ。

とてもありがたくて、リリーは院長先生に
縋って初めて泣いたのだった。

悲しくて辛くて泣いたわけではないので、
リリーは泣いた事を悔やまなかった。

勿論その日の”今日の良い事“は院長先生の
優しい気持ちに触れたことだった。

そのお金と孤児院を出る時に国から頂ける
独立金で、同い年のユリシアと暮す部屋を
借りてベッドや家具を揃える事ができた

リリーの本名はリリーデイア・レア・
カメリアと言う。

本名は誰にも話したことがない。

皆はリリーと言う名前だと思っているのだ。

孤児院の記録にもリリーと
書かれているだけだ。

リリーは赤ん坊の時にカメリア王国と言う
島国から母と乳母の三人だけで船で
この国にやって来たのだと、
母が話してくれた。

母はまだ小さなリリーに何度も何度も
カメリア王国の話をして聞かせた。
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