コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
ひとしきり大砲を浴びせた軍船から小舟が
何艘も降ろされて武装した兵士が漕ぎ
出してきた。

リリーデイアの父親は第一王子だった。

まだ生まれて半年もたたない我が子
リリーデイアと妻を乳母に託しあるだけの
真珠を持たせて、王宮の地下に続く階段を
下りてその先の入江に繋いであった
船に乗せた。

そして連れてきた一人の男性に舵取りを
頼むと何としても逃げてくれと言って船を
押して海に放した。

母は一緒に行ってくれと泣いて懇願したが、
王族の自分が民を置いて逃げることは
できない。

一人でも多く敵を倒して民を守るために戦う
と言って身を翻して戻っていったのだと
涙ながらにリリーに話して聞かせた。

そして最後にいつもこういうのだ。

「デイア、娘のあなたにこんな事頼むのは
申し訳ないけれど、どうかいつかカメリア
に帰ってカメリアの民がどうしているか、
そしてあなたのお父様や国王陛下や王妃様
がどうなったのか亡くなったのなら
きちんとお墓に入れてもらっているのか、
見てきてほしいの。
民が困っているならこの真珠を売って
役に立ててもらって、そしてね、
ひょっとしたらお父様は王宮の中に
私たちが舟をこぎ出した入江の洞窟に
もっとたくさんの真珠を隠しているかも
しれないの。それを探して見つけて
くれたらきっと民を救うことができるかも
知れないわ。
いつもお父様は言っていたのよ。
カメリアは島国で平和に暮らしているから
民は戦う事なんてできない。攻め入られたら
すぐに滅びるだろうから、民を救う為にも
この真珠や宝石を役に立てなければいけない。
それしか我々王族は民にしてやれる事は
ないのだと言っていたのよ」
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