コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
リリーが3歳になると母は夜寝る前に絵本の
代わりに、カメリアの話を聞かせた。

カメリアの春にはどんな花が咲いてとても
香しい匂いがするのだとか、カメリアは一年中
気候が安定しているので甘くておいしい果物
が一年中なっているとか。

その果物を絞って飲むジュースがとても
美味しいのだとか遠い目をしてその味を
思い出すかのように優しく微笑んで
笑っていた。

そんなジュースを飲んだことがないリリーは
母様だけ狡いと言って口をとんがらせて
拗ねていると。

「ごめんねデイア、ごめんね」

そう言ってリリーを抱きしめながら
泣いていた。

母と父はリリーをデイアと言う愛称で
呼んでいたらしい。

リリーは母に“デイア”と優しく呼ばれるのが
大好きだった。

コンネリシャス王国に着くと船をこいで
くれていた男は、母たちが棲家を見つけるのを
見届けるとどこかに去っていった。

父とはそう言う約束だったらしい。

そして母は父が持たせてくれた沢山の真珠を
少しずつ売りながら慎ましく暮らしリリーを
育ててくれた。

一緒に来た乳母は高齢でもあったのでリリーが
3歳の時に病気で亡くなった。

母も王族で働いた事もなかったはずなのに、
食堂のウエイトレス、パン屋や市場で働いて
少しでもお金を稼ぐようにしていた。

何時かリリーがカメリアに帰る時に少しでも
多くの真珠を持っていけるようにと母は
必死で働いていた。

母のいない昼間は乳母亡き後は一人で
読み書きの勉強をしたり、裏庭に植えた花や
野菜の世話をしていた。

借りた家は裏庭が広くて、リリーの格好の
遊び場でもあった。

そこで花や野菜を育てるのを母から役目
として与えられていた。

たった3歳でリリーは一人で家事も半分ほどは
こなせるようになっていたのだ。

カメリアの王族は癒しの魔法が使えたらしい。

リリーは水魔法も使える。

その魔力量はまちまちなので、怪我や病気まで
治癒できるほどの魔法を使える人もいたらしいが
リリーはほんのわずかな治癒の魔法と水魔法
が使えるだけだった。
< 15 / 147 >

この作品をシェア

pagetop