コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
そう言われてリリーはつい涙が
こぼれそうになった。

今まで誰にも言えず、一人で母の願いを
かなえるために頑張ってきたのだ。

そんな優しい言葉をかけてもらえてつい
甘えたくなってしまうが、母の言いつけ
を思い出した。

真珠の事もリリーの本名も出自も本当に
信頼できる人ができるまで絶対に
話してはいけないと、きつく言われたのだ。

リリーはぐっと言葉を飲み込んでお礼だけ
言うのがやっとだった。

それからセレスに門まで一緒に
行ってもらって、王宮の馬車で家まで
送ってもらった。

独りで帰れるというリリーにセレスは
王妃様の言いつけなので、馬車を
用意すると言ってきかなかった。

王家の紋が入った馬車では近所の人も
びっくりするだろうから騎士団の馬車で
送っていくので心配しなくてもいいと
言ってくれた。

どこまでも優しい王家の人達だった。

お店に帰るとマリアが一人で客の応対に
バタバタしていた。

マリアに留守番ありがとうと言うと、
リリーも客の要望を聞いて対応した。

なぜこんなに人が沢山来ているのか、
わからなかったがとにかく、殆どの花や
サシェやポプリが売れていった。

早めに店を閉めて、裏庭から花を
補充したりサシェやポプリを作り足したり
していると、夜更けになっていた。

急いで夕飯の支度をしてささっと
二人で食べた。

「昨日の事故で皆物見遊山に来たみたい。
ジュシード殿下の話も聞かれたけれど
その時いなかったのでわからないと
言っといた、そんな事が面白いのかなあ
殿下が大怪我なさったと言うのに、
腹が立ったわ」

マリアはプンプンしながらご飯を食べている
リリーはくすっと笑って

「そんなに腹を立ててご飯を食べると
体に良くないわよ。殿下はもう元気
そうだったから大丈夫よ。
ルル王妃様が癒しの魔法を施されたから、
でも出血が多かったからまだ安静に
していなくてはいけないんだって」

「そうなんだ。ほんとにすごい
出血だったもん。
その中に座り込んでいるリリーを見た時は
心臓が止まるかと思ったわ」
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