コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
これで夏にはマリアに冷たいジュースや
水を飲ませてあげられる。

裏庭の花壇も効果は抜群で今まで以上に
成長の早い持ちのいい花やおいしい野菜が
作れるようになった。

孤児院で作っている花もリリーが
強く育てやすい花を厳選して種や苗を寄付
して作ってもらっているのを、リリーの
店で買い上げている。

母亡き後孤児院に拾ってもらわなければ今の
リリーは存在しなかっただろう。

最初こそ戸惑った子供たちに阻害されたが
院長がきちんと皆に話をしてくれてからは、
いい関係が保てた。

同じ年のユリシアや3歳下のマリアは
今では家族のようだ。

そして、その孤児院へ慰問に来てくれる
ルル王妃や王家の人たちのおかげで、
刺繡やお菓子作りなども教えてもらえた
ルル王妃はよく料理も教えてくれた。

ユリシアはルル王妃のおかげで料理が
好きになりシェフの見習いを3年やって
恋人と彼の故郷で今はカフェをやっている。
とても繁盛しているようで、時々くれる
手紙からは仕事も彼との生活も順調だと
伺えて嬉しい。

リリーの考案した野菜カレーがとても好評で
カフェの名物料理になっていると言う。

それを知ってマリアもリリーも
大喜びした。

その日の夕食は野菜カレーになったのは
言うまでもない。

裏庭で作る野菜も沢山収穫出来たら
孤児院にマリアが持って行ってくれる。

王立の孤児院は運営費も潤沢で孤児院と
いうと暗いイメージがあるが、この国の
孤児院はとても明るく子供達もみんな元気だ

着る服も食事も教育もしっかり整っていて、
ほかの国の孤児院はどうなのかよく
わからないが、孤児院の子供達には卑屈な
感情はみじんもない。

これは国が特に王家の方たちの尽力の賜物
だと王家の方たちと接するようになって
特に思うことだ。

父がリリーたちを逃がす際に
コンネリシャス王国に行くようにピートと
いう若者に指示したのも頷ける。

正しい判断だったのだ。

帰りの船のデッキで、そんなことを
考えていたらジュシードがそばに来て

「リリー、風が冷たくなるから上着を
着たほうがいいよ。遅くなるけど陽が
沈む美しい景色をリリーに見せたいんだ
空が茜色に染まって、水平線の水面が
空と同じ色に染まっていくんだ。
とても荘厳な景色なんだ」

「シード、ありがとう、
今日は魔法のような一日だったわ。
私の初めてがいっぱいでこんなに幸せで
いいのかなあって怖くなる」

「何言っているんだ。
リリーには僕のそばでいつも幸せに
笑っていてほしいのだから、
リリーの初めてをいっぱい
経験させてあげたい」
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