コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
これは食べられるから取って来ると言って
ジュシード王子が木に登り始めた。

「シード、危ないわ。気を付けて、
落ちないでよ」

と必死の面持ちのリリーがまた可愛い。

何をしても何を言っても、自分にとってリリーは
最高に可愛いのだとジュシード王子は
考えてにやついていた。

完全にリリーに堕ちてしまっている自分が
少し情けないが、ジュシード王子は自分も
女性を愛することができるのを知って
嬉しかった。

ジュシード王子の取ってきた果実は
オレンジ色で実はとても甘く瑞々しかった。

陽を避けるために少し林に入った場所で布を
敷いてバスケットに入っているサンドイッチ
や生ハムのサラダを、ワインと共に頂いた。

そしてデザートには、ルル王妃が作って
くれたスイートポテトが入っていた。

リリーはこのスイートポテトが大好きで、
ルル王妃に作り方を教えてもらったので、
庭に植えたサツマイモが秋になって収穫
出来たら作ってみようと思っている。

今は季節外なので市場でも売っているのだが
とても高い。

そういうと、じゃあ今度お土産に買ってくる
というジュシード王子に、リリーは身の丈に
あった生活をしなければいけないし、
いつもジュシード王子にもらってばかりの
関係は嫌なのだとはっきりと告げた。

ジュシード王子は、それを聞いて少し
悲しそうな顔をしたが、リリーの考えを
尊重してくれた。

それでも、こうして彼にこんな風に海に
連れてきてもらえて無人島で二人だけの
素敵な時間を過ごしているのは、リリーに
とっては贅沢以外の何物ではないのだが、
そこまで固辞すると二人の関係が
拗れてしまう。

リリーはジュシード王子が大好きなのだ。

彼がリリーに対して示してくれる愛情深い
態度や言葉ほどは全然返せていないけれど、
いつか自分の気持ちを本名と自分の立場と
共にきちんと伝えなければならないと
思っているのだが、なかなか気持ちの
踏ん切りはつかない。

でも母が本当に信用できる人が現れたら
きちんと話しなさいと言っていた。

その時が来ればリリーにも分かるはずと
言っていたがその人は彼しか考えられない。

王家の人達はみなすごくリリーに優しくて、
特にルル王妃は、娘のようにリリーを
可愛がってくれる。

癒しの魔法もかなり上達した。

今では浄化の魔法も使えるようになり、
ひどい怪我も直せるようになったし
魔力量も増えたようだ。

水魔法はジュシード王子が訓練してくれる
ようになりお風呂のお湯くらいは貯めれる
ようになったし、つい先日は氷を出すことも
教えてもらってできるようになった。
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