コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
「ジュシード、余裕がないのね。
リリーに呆れられるわよ。
さあリビングに行きましょう。
ジュオンも待っているわ」

「国王様が?」

「うん、リリーの事は両親は全部
わかっている。今日はカメリアの事で
話がしたいと言っているんだ」

「国王様はお忙しいのに私の事で
お時間を取らせてしまって
申し訳ありません」

「リリーの事じゃないよ。
僕たちの事だよ」

そういいながらリビングに入ると
ジュオン国王がソファーに座って
待っていてくれた。

侍女が皆に紅茶を入れてくれて、
下がったことを確認して国王が
話し出した。

ジュオン国王はジュシード王子から話を
聞いた後側近にカメリア王国について
調べさせたらしい。

「18年前と言うとまだ俺も即位の前の
王子時代だったけれど、南の大陸の
ダンケルバン王国がどこかの島国を侵略して
自国の統治にしたという事は聞いたけれど
そのダンケルバン王国がその後隣国に
統合されて今はダンケルバンと言う国は
消滅したという事らしい。
今ではダンケルバンもカメリアも国名簿には
乗っていない。ここまでは側近が調べて
くれたことなんだが、2~3年前に南の国の
バビロニアン国から交易の使節団が来た時に
その使節団の者が、今は無き美しい島国の
話をしていた事があるんだ。
気候も温暖で1年中作物や花が実り豊かな
自然の美しい国だったのにどこかの馬鹿な
国に滅茶苦茶にされたらしい。
それ以来統治するべき王家の者が一人も
いないという事で、国民はどうなったのかも
分からないというような話をしていたのを、
側近が思い出したのだ。
俺もその話は聞いたことがある。
それがカメリアかどうかは分からないのだが
海岸線は切り立った崖で容易に船は近づけ
ないらしく。ダンケルバンも結局上陸は
出来なくて、腹いせに軍船から大砲を
打ちまくったらしく、その煙で一時は島が
見えなくなるほどだったという事だ」

それを聞いていたリリーは途中からは
滂沱の涙を流していた。

ジュシード王子はリリーの肩を抱いて
胸にリリーの頭を抱きかかえた。

リリーはジュシード王子のシャツを
掴んで胸に縋って泣いていた。
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