コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
ルル王妃も涙ぐんでいた。

ジュオン国王がルル王妃の手を
ポンポンと叩いて慰めている。

「リリー、これがカメリアの話かどうかは
本当にわからないんだ。
だからカメリアに行ってみるしかないと思う
そして、王家の方々が誰も生き残っていない
としたら、君が随一の王位継承者なのだ。
つまり女王様だな。その覚悟はあるか?
国を背負って国民を導き国を立て直さ
なければならない。その覚悟はあるか?
君がカメリアの女王として立つなら、
コンネリシャス王国の次期国王になる
ジュシードと婚姻を結ぶのは難しい」

二人ははっと息をのんだ。

ジュシード王子は先日そのような話を国王に
されたのだが、リリーにとっては初めて
聞く話だ。

まだ婚姻の約束もしていない。

「父上、その話は二人でしっかり話して
からにしてください。僕の気持ちは決まって
いますがリリーにはまだ結婚の申し込みも
していません。でも、リリー以外の人と
結婚するつもりはありません」

そうきっぱりと告げる頼もしい
ジュシード王子の横顔を見ながらリリーは
困惑していた。

「俺はリリーの覚悟を聞いているのだ」

そう言って国王は、リリーを鋭い目つきで
見つめた。

「私は、幼い頃よりいつかカメリアに帰って
民が困窮しているなら何とかして助けて
あげて欲しいと言われて育ちました。
その為にとたくさんの真珠と宝石や王冠を
預かっています。
また、私が王家の血を継ぐ者だという証の
護符も持っています。
それがカメリアの宝物庫の鍵でもあるとも
言われました。私は何としてもカメリアに
渡って今の状況を知る必要があります。
私が居なくてもと言うか居ないほうがいい
ような状況であれば、しっかりと統治して
いてくれる人にそれらを渡してこなくては
ならないし、そうでないならカメリアが
立ち直れるようになるまで、己を捨てて
カメリアの為に力を尽くします。
その覚悟で生きてきました」

そう言うとリリーは顔を上げて真っ直ぐに
国王を見つめた。

国王はそうかと言うと目元を和らげて
優し気な面持ちになった。

「しっかりとしているな。ジュシードの隣に
立ってこの国を任すに足りる人物だ。
でも先ほど言ったことには変わりはない」

「はい、肝に銘じます。私は学校にも行って
いないのですが、母が父から預かったという
カメリアの成り立ちが書かれた本はもう暗記
するほど読みました。少し大きくなって
からは図書館で帝王学や世界の経済や
経営学の本を読んで勉強しました。
それが実際どのように役に立つかは本当に
わからないのですが、その実践の一つが花屋
なのです。お陰ですごく上手く回っています
国と花屋を一緒にするなんて無謀なことは
よく分かっていますが、本で勉強した事を
やってみたくなって両親が託してくれた
真珠を少し売ってその元手にしたのです」

「花屋も国の経済を担うことも変わりは
ないと思うぞ。全く一緒だというつもりは
ないが、基本の考え方はそう変わらない」

「はい、ありがとうございます。
とにかくカメリアに行くことを考えてみます
幸いと言うか奇跡的に2週間くらい前に
私達をこの国に連れて来てくれたピートと
言う人が訪ねて来てくれたのです。
彼がいればカメリアに帰る事が
できそうです」

だが、ジュシード王子は納得がいかない
顔をしている。

「リリーとにかく二人でまずは
話さないか?」

「うんそうだな、ジュシードも焦っている
ようだからな、ははは」
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