白い結婚なんて絶対に認めません! ~政略で嫁いだ王女は甘い夜を過ごしたい~【全年齢版】
 アルバートが告げた言葉に、頭から何の遠慮もなしに氷水をかけられたような気持ちになった。
 先程まで感じていたときめきが一気に冷えてなくなって行く。

 国家間の結びつきを深める政略結婚であることくらい、プリムローズだって言われずとも分かっている。
 でも、白い結婚だなんて聞いてない。
 しかもたった一年限りの結婚とは、これでは何の為に嫁いで来たのか。

 (あらかじ)め決められた祝い事だからと、両親は最初から知っていてプリムローズを嫁がせたのか。
 プリムローズの一生に関わることなのに、自分だけ何も知らされてはいなかった。こんな話があるだろうか。今、こんな話が実際に目の前で起こっているのだけれど、あんまりだ。

 そう思うと、大好きな人の花嫁になるという夢が叶ったというのに、どうして諦めなくてはいけないのかという気にもなって来る。

「――アルバート様」

 一旦萎れかけた心を奮い立たせ、まっすぐにアルバートを見つめた。
 急に目を合わせたプリムローズにたじろいだような彼から、視線を逸らすことなく身を乗り出す。
 四つん這いの獣のような体勢になり、アルバートの足の上にそっと手を置いた。
 アルバートがびくりと身を強張らせる。

 触れただけなのに、そんなにいやがらなくったって。

 その反応に傷つきながらも王太子妃としての役割を果たす為に、何よりも夢にまで見たラブラブ新婚生活実現の為に意を決して口を開く。

「白い結婚だなどといきなり仰っても、わたくしはそんなの納得いきません。どうぞ今夜、少しだけでもいいから入れて下さい!」

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