【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
次の朝——。
カーテンの隙間から柔らかな朝日が差し込む中、紗良は郵便受けに手紙が入っているのを見つけた。
薄い封筒を手に取ると、差出人の記載がないことに気づき、首をかしげながらリビングに戻る。
キッチンでは、航太がエプロン姿で朝食の準備をしていた。
目玉焼きの焼ける音と、コーヒーの香りが静かな朝に溶け込んでいる。
「どうしたの?」と、フライパンから目を離さず航太が声をかける。
紗良は封筒を掲げて、「なんか……差出人の書いてない手紙が届いてたの」と不安げに言った。
航太は表情を引き締め、「ちょっと貸して」と手を差し出す。
その目には、SPとしての直感が微かに光る。
紗良が差し出す封筒を受け取ると、慎重に中を開けた。
中から出てきたのは——『パシフィックビーナス』のクルーズチケットと、1枚のメモ。
航太がそれを広げると、そこには力強くこう書かれていた。
――
「(株)オーシャンリゾートの株主優待だ。
忙しすぎて行けないから、若者2人で行っといで。
一ノ瀬 岳」
――
その署名を見た瞬間、2人は顔を見合わせ、思わず笑ってしまった。
「……びっくりした。変な手紙じゃなくてよかった」と航太は胸を撫で下ろしながら言った。
紗良も「うん、でもお父さん、いきなりすぎ」と言いつつ、頬が緩む。
静かな朝に、ほのかな安心とちょっとした旅の予感が漂い始めていた。
カーテンの隙間から柔らかな朝日が差し込む中、紗良は郵便受けに手紙が入っているのを見つけた。
薄い封筒を手に取ると、差出人の記載がないことに気づき、首をかしげながらリビングに戻る。
キッチンでは、航太がエプロン姿で朝食の準備をしていた。
目玉焼きの焼ける音と、コーヒーの香りが静かな朝に溶け込んでいる。
「どうしたの?」と、フライパンから目を離さず航太が声をかける。
紗良は封筒を掲げて、「なんか……差出人の書いてない手紙が届いてたの」と不安げに言った。
航太は表情を引き締め、「ちょっと貸して」と手を差し出す。
その目には、SPとしての直感が微かに光る。
紗良が差し出す封筒を受け取ると、慎重に中を開けた。
中から出てきたのは——『パシフィックビーナス』のクルーズチケットと、1枚のメモ。
航太がそれを広げると、そこには力強くこう書かれていた。
――
「(株)オーシャンリゾートの株主優待だ。
忙しすぎて行けないから、若者2人で行っといで。
一ノ瀬 岳」
――
その署名を見た瞬間、2人は顔を見合わせ、思わず笑ってしまった。
「……びっくりした。変な手紙じゃなくてよかった」と航太は胸を撫で下ろしながら言った。
紗良も「うん、でもお父さん、いきなりすぎ」と言いつつ、頬が緩む。
静かな朝に、ほのかな安心とちょっとした旅の予感が漂い始めていた。