【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
永田町・議員会館。一ノ瀬大臣室。
午前の会議を終え、書類に目を通していた一ノ瀬岳の元に、秘書官が一歩前に出て声をかけた。
「大臣、橘警護官から正式に面会申請が届いております」
一ノ瀬は眉をひそめ、手を止める。
「……え、会いたくない。なんで?まさか紗良と別れるとか言う話だったら、絶対会いたくないんだけど」
冗談交じりではあったが、目は少しだけ鋭さを帯びていた。
秘書官は微妙な表情で口を開く。
「面会理由については、“先日いただいた件に関して直接ご相談がある”とのことでした。特に警戒すべき内容ではなさそうですが……」
「ん〜……」
一ノ瀬は、椅子に体を預けながら天井を仰いだ。
少しして、扉近くに立つ警護官・遠藤に目を向ける。
「遠藤、どう思う?」
遠藤は即座に背筋を伸ばし、静かに答える。
「はい。最近の紗良さんと橘警護官の関係については、良好な様子が続いていると伺っております。ですので、深刻なご懸念は必要ないかと存じます」
「やだなぁ……」と、一ノ瀬は思わず笑いを漏らした。
すると、秘書官が再び口を開く。
「大臣、どうされますか?」
しばしの沈黙ののち、一ノ瀬は小さくため息をついて、書類をそっと机に戻した。
「……会うしかないよな。そうだよな」
それを聞いた秘書官は、即座に「かしこまりました」と一礼し、淡々と処理に取り掛かった。
一ノ瀬は椅子に身を沈めながら、心のどこかで小さな期待と、ほんの少しの不安を抱えていた。
午前の会議を終え、書類に目を通していた一ノ瀬岳の元に、秘書官が一歩前に出て声をかけた。
「大臣、橘警護官から正式に面会申請が届いております」
一ノ瀬は眉をひそめ、手を止める。
「……え、会いたくない。なんで?まさか紗良と別れるとか言う話だったら、絶対会いたくないんだけど」
冗談交じりではあったが、目は少しだけ鋭さを帯びていた。
秘書官は微妙な表情で口を開く。
「面会理由については、“先日いただいた件に関して直接ご相談がある”とのことでした。特に警戒すべき内容ではなさそうですが……」
「ん〜……」
一ノ瀬は、椅子に体を預けながら天井を仰いだ。
少しして、扉近くに立つ警護官・遠藤に目を向ける。
「遠藤、どう思う?」
遠藤は即座に背筋を伸ばし、静かに答える。
「はい。最近の紗良さんと橘警護官の関係については、良好な様子が続いていると伺っております。ですので、深刻なご懸念は必要ないかと存じます」
「やだなぁ……」と、一ノ瀬は思わず笑いを漏らした。
すると、秘書官が再び口を開く。
「大臣、どうされますか?」
しばしの沈黙ののち、一ノ瀬は小さくため息をついて、書類をそっと机に戻した。
「……会うしかないよな。そうだよな」
それを聞いた秘書官は、即座に「かしこまりました」と一礼し、淡々と処理に取り掛かった。
一ノ瀬は椅子に身を沈めながら、心のどこかで小さな期待と、ほんの少しの不安を抱えていた。