【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
旅の前日。
紗良の部屋には、明るく軽やかな空気が満ちていた。
ベッドの上にはスーツケースが開かれ、メイク道具にヘアアイロン、ワンピース、サンダル、お気に入りの香水――次々にアイテムが詰め込まれていく。
紗良はワンピースを一枚広げては、鏡の前に立ち、「これ似合うかな?」と自問しながら、嬉しそうにくるくる回っていた。
そこへ、小さなバッグひとつを肩にかけた航太が現れた。
「そんなに詰めてどうするの?」
呆れたような声を出しつつも、その瞳はどこまでも優しい。
「だって、写真いっぱい撮るでしょ? せっかくだし可愛い服着たいし……メイクもいつもより頑張りたいし……」
紗良はスカートを揺らしながら、無邪気に笑った。
航太はリビングのソファに腰を下ろし、バッグの中に大切にしまった小さなケースに、そっと指を添えた。
――明日、渡せたらいい。
手のひらに残るその重みを感じながら、ソファの上でせっせと服を選ぶ紗良の姿を、目を細めて見守る。
この先の未来が、どうか彼女にとって幸せであるようにと願いながら。
紗良の部屋には、明るく軽やかな空気が満ちていた。
ベッドの上にはスーツケースが開かれ、メイク道具にヘアアイロン、ワンピース、サンダル、お気に入りの香水――次々にアイテムが詰め込まれていく。
紗良はワンピースを一枚広げては、鏡の前に立ち、「これ似合うかな?」と自問しながら、嬉しそうにくるくる回っていた。
そこへ、小さなバッグひとつを肩にかけた航太が現れた。
「そんなに詰めてどうするの?」
呆れたような声を出しつつも、その瞳はどこまでも優しい。
「だって、写真いっぱい撮るでしょ? せっかくだし可愛い服着たいし……メイクもいつもより頑張りたいし……」
紗良はスカートを揺らしながら、無邪気に笑った。
航太はリビングのソファに腰を下ろし、バッグの中に大切にしまった小さなケースに、そっと指を添えた。
――明日、渡せたらいい。
手のひらに残るその重みを感じながら、ソファの上でせっせと服を選ぶ紗良の姿を、目を細めて見守る。
この先の未来が、どうか彼女にとって幸せであるようにと願いながら。