【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
航太は、デザートが運ばれたタイミングを合図に、そっと手を挙げた。
船のバトラーが静かに頷き、部屋の奥の扉を開ける。次の瞬間、静かに、だが確かな存在感で──深紅の薔薇の花束が運ばれてきた。
99本の薔薇。
「永遠の愛」という花言葉を込めて、航太が選んだ数字だった。
バトラーが一礼して花束を航太に預けると、航太は立ち上がり、紗良のもとへゆっくりと歩いた。
そして、静かに膝をつく。
柔らかな照明の中で、彼女の驚いた顔が照らされる。
航太の手が震えているのが、自分でもわかった。だけど、不思議と怖くはなかった。
「この旅を……一緒に過ごせて、嬉しかった。
でも、本当は──今日という日を、君の人生の始まりにしてもらいたかった」
99本の薔薇を、両手で紗良に差し出す。
花びらから微かに甘い香りが立ち上り、部屋の空気まで、愛しさで満たしていく。
「紗良。君とずっと一緒にいたい。
君が笑って、泣いて、怒って──全部そばで見ていたい。
結婚してください」
──その瞬間、部屋の外で静かにバイオリンの音が鳴り始める。
航太が事前に依頼していた、秘密のセレナーデだった。
彼はただ、目の前の彼女の返事だけを待っていた。
船のバトラーが静かに頷き、部屋の奥の扉を開ける。次の瞬間、静かに、だが確かな存在感で──深紅の薔薇の花束が運ばれてきた。
99本の薔薇。
「永遠の愛」という花言葉を込めて、航太が選んだ数字だった。
バトラーが一礼して花束を航太に預けると、航太は立ち上がり、紗良のもとへゆっくりと歩いた。
そして、静かに膝をつく。
柔らかな照明の中で、彼女の驚いた顔が照らされる。
航太の手が震えているのが、自分でもわかった。だけど、不思議と怖くはなかった。
「この旅を……一緒に過ごせて、嬉しかった。
でも、本当は──今日という日を、君の人生の始まりにしてもらいたかった」
99本の薔薇を、両手で紗良に差し出す。
花びらから微かに甘い香りが立ち上り、部屋の空気まで、愛しさで満たしていく。
「紗良。君とずっと一緒にいたい。
君が笑って、泣いて、怒って──全部そばで見ていたい。
結婚してください」
──その瞬間、部屋の外で静かにバイオリンの音が鳴り始める。
航太が事前に依頼していた、秘密のセレナーデだった。
彼はただ、目の前の彼女の返事だけを待っていた。