【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
朝のミーティングがひと段落し、執務室に柔らかなコーヒーの香りが広がる中、紗良のもとに坂口秘書がやってきた。
彼女は落ち着いた口調で、ほんの少し心配そうな笑みを見せた。
「紗良さん、またお休みでしたね。働きすぎなんじゃないですか?」
「うーん……広報部のホームページがサイバー攻撃に遭ったじゃない? あの辺りでちょっと、頭がオーバーヒートしたのかも」
と肩をすくめて茶化すように言った。坂口は苦笑しながらも、真顔で頷いた。
「今、いろんなのが流行ってますからね。体調には気をつけてください」
「はーい。次は寝込まないようにします」
と応じながらも、心のどこかで、また熱が出たらどうしようという不安を押し込めるように笑ってみせた。
――昼休憩。
周囲が社食や外出に向けて席を立つ中、紗良はスマートフォンを手に取り、LINEを開いた。航太とのトーク画面に、なるべく元気な文面を打ち込む。
今日の夕ご飯、おかえり会しよう!
前から狙ってた洋食屋さんのテイクアウトする!
なるべくハイテンションに。
まだ心配そうな顔をしていた航太の表情が、頭をかすめる。だからこそ、「元気だよ」と伝えたかった。
ほどなくして、すぐに返信が届く。
OK。荷物いったん家に置いてから行く。
時間に合わせて、またそっち行くから。
返信を見て、ふっと息を吐いた。
航太は言葉少なだけれど、彼なりの優しさがにじむ文面に、紗良の胸の奥がほんの少し、温まった。
彼女は落ち着いた口調で、ほんの少し心配そうな笑みを見せた。
「紗良さん、またお休みでしたね。働きすぎなんじゃないですか?」
「うーん……広報部のホームページがサイバー攻撃に遭ったじゃない? あの辺りでちょっと、頭がオーバーヒートしたのかも」
と肩をすくめて茶化すように言った。坂口は苦笑しながらも、真顔で頷いた。
「今、いろんなのが流行ってますからね。体調には気をつけてください」
「はーい。次は寝込まないようにします」
と応じながらも、心のどこかで、また熱が出たらどうしようという不安を押し込めるように笑ってみせた。
――昼休憩。
周囲が社食や外出に向けて席を立つ中、紗良はスマートフォンを手に取り、LINEを開いた。航太とのトーク画面に、なるべく元気な文面を打ち込む。
今日の夕ご飯、おかえり会しよう!
前から狙ってた洋食屋さんのテイクアウトする!
なるべくハイテンションに。
まだ心配そうな顔をしていた航太の表情が、頭をかすめる。だからこそ、「元気だよ」と伝えたかった。
ほどなくして、すぐに返信が届く。
OK。荷物いったん家に置いてから行く。
時間に合わせて、またそっち行くから。
返信を見て、ふっと息を吐いた。
航太は言葉少なだけれど、彼なりの優しさがにじむ文面に、紗良の胸の奥がほんの少し、温まった。