【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
杉浦と別れたあと、陽が傾き始めた街をゆっくり歩きながら、航太はふと思い出したように足を止めた。
すぐ近くに、紗良が好きだと言っていたスイートポテトの店──「ラ・ポティロン」があった。
ふわりと甘い香りの漂う店内で、定番のスイートポテトと新作のキャラメル風味をひとつずつ選んで、紙袋を丁寧に提げて店を出る。
紗良の家の前に着き、インターフォンを押すと、すぐに「はーい!」という明るい声が返ってきた。
扉が開き、顔を覗かせた紗良はにこやかに笑って、「いらっしゃい」と柔らかな声で言った。
「ただいま」と言うような気持ちで中に入り、航太はそのままキッチンへ直行して冷蔵庫を開ける。
「え、もしかして……」
後ろから覗き込んできた紗良の声が弾む。
「ラ・ポティロンのスイートポテト……! 買ってきてくれたの!?」
航太が「うん」と微笑むと、紗良は「もー航太くん大好き!」とそのまま後ろからぎゅっと抱きついてきた。
柔らかな頬が背中に触れる。あたたかい体温。甘い声。
その瞬間、航太は、半月ほど離れていた日々、帰国してからの数日間も抑えてきた感情が胸の奥でじわりと溶け出すのを感じた。
それは、彼女を甘やかしたいという、深くて静かな愛情だった。
すぐ近くに、紗良が好きだと言っていたスイートポテトの店──「ラ・ポティロン」があった。
ふわりと甘い香りの漂う店内で、定番のスイートポテトと新作のキャラメル風味をひとつずつ選んで、紙袋を丁寧に提げて店を出る。
紗良の家の前に着き、インターフォンを押すと、すぐに「はーい!」という明るい声が返ってきた。
扉が開き、顔を覗かせた紗良はにこやかに笑って、「いらっしゃい」と柔らかな声で言った。
「ただいま」と言うような気持ちで中に入り、航太はそのままキッチンへ直行して冷蔵庫を開ける。
「え、もしかして……」
後ろから覗き込んできた紗良の声が弾む。
「ラ・ポティロンのスイートポテト……! 買ってきてくれたの!?」
航太が「うん」と微笑むと、紗良は「もー航太くん大好き!」とそのまま後ろからぎゅっと抱きついてきた。
柔らかな頬が背中に触れる。あたたかい体温。甘い声。
その瞬間、航太は、半月ほど離れていた日々、帰国してからの数日間も抑えてきた感情が胸の奥でじわりと溶け出すのを感じた。
それは、彼女を甘やかしたいという、深くて静かな愛情だった。