【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
テーブルの上には、紗良が前から「おかえり会にしよう」と言っていた洋食屋さんのテイクアウトパーティーセットが並んでいた。
ビーフシチューに、チキンの香草焼き、ミニグラタン、色とりどりのサラダ。
料理の温めや盛り付けを一緒にやって、ふたりで向かい合って席につく。
「じゃあ、改めて――」
紗良がオレンジジュースの入ったグラスを軽く掲げる。
「航太くん、出張お疲れ様ー!」
航太も赤ワインの入ったグラスを合わせ、柔らかく微笑んだ。「ただいま。」
「ほんとに、美味しいね……航太くんが無事帰って来てくれて、よかった」
そう言って、紗良が目を細める。
航太はその顔をまっすぐ見つめ、「……ずっと会えなくて、おかしくなるかと思った」と本音をこぼした。
紗良は少しだけ顔を赤らめながら、「私も……」と呟いたあと、ふっと思い出したように笑う。
「私がそっちでおかしくなりそうだったのは、ホームページがサイバー攻撃受けた日あたりね。もう、あれで怒涛の地獄絵図だったの。サーバー止まるし、データ消えそうになるし、全社から問い合わせの嵐だし」
「そんなことが……」と航太が驚くと、
紗良は肩をすくめながら「おかげで毎日終電だった。でもね、熱が出たときはちょっとホッとした部分もあったんだ」と笑った。
「え?」と航太が聞き返すと、
「ほら、もう、強制的に止まらないと私ずっと走っちゃうから。体が先にブレーキ踏んだのかなって」
航太はそんな紗良の言葉に、小さくため息をつき、グラスを置いた。
「無理するなって言っても、きっと無理するだろうから――俺が止めるよ。これからもずっと」
その一言に、紗良は箸を止め、ゆっくりと微笑んだ。
ビーフシチューに、チキンの香草焼き、ミニグラタン、色とりどりのサラダ。
料理の温めや盛り付けを一緒にやって、ふたりで向かい合って席につく。
「じゃあ、改めて――」
紗良がオレンジジュースの入ったグラスを軽く掲げる。
「航太くん、出張お疲れ様ー!」
航太も赤ワインの入ったグラスを合わせ、柔らかく微笑んだ。「ただいま。」
「ほんとに、美味しいね……航太くんが無事帰って来てくれて、よかった」
そう言って、紗良が目を細める。
航太はその顔をまっすぐ見つめ、「……ずっと会えなくて、おかしくなるかと思った」と本音をこぼした。
紗良は少しだけ顔を赤らめながら、「私も……」と呟いたあと、ふっと思い出したように笑う。
「私がそっちでおかしくなりそうだったのは、ホームページがサイバー攻撃受けた日あたりね。もう、あれで怒涛の地獄絵図だったの。サーバー止まるし、データ消えそうになるし、全社から問い合わせの嵐だし」
「そんなことが……」と航太が驚くと、
紗良は肩をすくめながら「おかげで毎日終電だった。でもね、熱が出たときはちょっとホッとした部分もあったんだ」と笑った。
「え?」と航太が聞き返すと、
「ほら、もう、強制的に止まらないと私ずっと走っちゃうから。体が先にブレーキ踏んだのかなって」
航太はそんな紗良の言葉に、小さくため息をつき、グラスを置いた。
「無理するなって言っても、きっと無理するだろうから――俺が止めるよ。これからもずっと」
その一言に、紗良は箸を止め、ゆっくりと微笑んだ。