【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
バスルームから湯気と共に航太が出てくると、リビングのソファに座る紗良が目に入った。
髪を乾かさず、バスタオルでくるっと巻いたまま。
肩を少しすぼめて、まだどこかしょんぼりしている様子だった。
「……紗良、また髪乾かしてない」
低めの声で、少し呆れたように言うと、紗良は顔をぷいっとそらしながら小さな声で返した。
「……今やろうと思ってたもん」
その言い方が拗ねた子どもみたいで、航太はくすっと笑うと、ソファの背に片手を置いて、紗良の背後に立った。
「……乾かしてあげようか?」
そう言いながら、優しくタオルに手を伸ばす。
紗良は一瞬ぽかんと航太の顔を見上げ、次の瞬間、目がぱっと輝いた。
「えっ、ほんとに!? 乾かして!!」
子犬のように喜んだ声を上げると、すぐにぺたんと正座で座り直し、後ろを向く。
航太はそんな紗良の無防備な後ろ姿に微笑みながら、ゆっくりとタオルを外した。
まだしっとりと水分を含んだ黒髪が、肩に沿って落ちる。
「じゃあ、じっとしてな」
そう言って、航太はドライヤーのスイッチを入れた。
ぬくもりのある風が静かに髪を撫で、指がそっと髪をすくっていく。
その優しい手つきに、紗良は自然と目を閉じ、ほんの少しだけ、身体を航太に預けた。
「……なんか、美容院みたい」
ぽつりと呟くと、背後で笑い声が落ちる。
「こんな拗ねた客、担当したくないけどな」
「うるさいな……」
でもその声にも、ふっと笑みがこぼれた。
髪を乾かさず、バスタオルでくるっと巻いたまま。
肩を少しすぼめて、まだどこかしょんぼりしている様子だった。
「……紗良、また髪乾かしてない」
低めの声で、少し呆れたように言うと、紗良は顔をぷいっとそらしながら小さな声で返した。
「……今やろうと思ってたもん」
その言い方が拗ねた子どもみたいで、航太はくすっと笑うと、ソファの背に片手を置いて、紗良の背後に立った。
「……乾かしてあげようか?」
そう言いながら、優しくタオルに手を伸ばす。
紗良は一瞬ぽかんと航太の顔を見上げ、次の瞬間、目がぱっと輝いた。
「えっ、ほんとに!? 乾かして!!」
子犬のように喜んだ声を上げると、すぐにぺたんと正座で座り直し、後ろを向く。
航太はそんな紗良の無防備な後ろ姿に微笑みながら、ゆっくりとタオルを外した。
まだしっとりと水分を含んだ黒髪が、肩に沿って落ちる。
「じゃあ、じっとしてな」
そう言って、航太はドライヤーのスイッチを入れた。
ぬくもりのある風が静かに髪を撫で、指がそっと髪をすくっていく。
その優しい手つきに、紗良は自然と目を閉じ、ほんの少しだけ、身体を航太に預けた。
「……なんか、美容院みたい」
ぽつりと呟くと、背後で笑い声が落ちる。
「こんな拗ねた客、担当したくないけどな」
「うるさいな……」
でもその声にも、ふっと笑みがこぼれた。