【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
航太は洗面所でふと目に入った乾いたタオルを手に取ると、無意識のうちにそれを丁寧に畳み始めた。習慣だった。誰かの世話を焼くのが、もう自然になっていた。
そこへ、リビングから聞こえてくる紗良の声。
「航太くん〜、早く戻ってきて〜」
甘えた声に、ふっと口元が緩む。
「ちょっと待って」
とだけ返して、手を止めずにタオルを畳み続ける。あと少し、あと2枚。
「ねえ〜、はやくぅ〜」
「航太くん、ねえってば〜」
呼ぶ声が絶え間なく響くたびに、胸の奥にぽつぽつと灯がともっていくような感覚がした。うるさいな、と思いながらも、その全部が可愛くてたまらない。
最後のタオルを棚に戻し、洗面所の灯りを落としてリビングへ向かう。
歩きながら、胸の中に再び沸き上がってきた愛しさに、思わずため息が漏れそうになる。
——でも。
(今日は説教もしたしな)
そう心の中で呟いて、にやりと笑う。
(お預けにしてやろう)
戻った先で、紗良がどんな顔をしているか。それを思い浮かべながら、航太はリビングのドアノブに手をかけた。
そこへ、リビングから聞こえてくる紗良の声。
「航太くん〜、早く戻ってきて〜」
甘えた声に、ふっと口元が緩む。
「ちょっと待って」
とだけ返して、手を止めずにタオルを畳み続ける。あと少し、あと2枚。
「ねえ〜、はやくぅ〜」
「航太くん、ねえってば〜」
呼ぶ声が絶え間なく響くたびに、胸の奥にぽつぽつと灯がともっていくような感覚がした。うるさいな、と思いながらも、その全部が可愛くてたまらない。
最後のタオルを棚に戻し、洗面所の灯りを落としてリビングへ向かう。
歩きながら、胸の中に再び沸き上がってきた愛しさに、思わずため息が漏れそうになる。
——でも。
(今日は説教もしたしな)
そう心の中で呟いて、にやりと笑う。
(お預けにしてやろう)
戻った先で、紗良がどんな顔をしているか。それを思い浮かべながら、航太はリビングのドアノブに手をかけた。