【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
研修会の会場に入ると、久しぶりの顔ぶれがそこに揃っていた。
旗野、松浦、河田、そして途中から補助についていた村上——
かつて紗良の警護についたメンバーたちである。
今日は政治・経済の動きに絡む最新のリスク、国内外のテロ情勢についての研修会。
定期的に実施されるこの集まりは、単なる知識のアップデートに留まらず、警護官同士のネットワークの再確認でもあった。
「おー、橘。久しぶりだな」
「最近は噂になってるぞ、お前」
旗野が笑いながら話しかける。
「橘、お前紗良さんを溺愛してるらしいな」
その言葉に、航太はほんの少しだけ眉を動かしながら、
「……なぜ知っている」と鋭い視線を返す。
すると、横から松浦がくすくすと笑いながら、
「だって〜、遠藤くんとか、たまに教えてくれるよね〜?ね、村上さん」
と、隣に座る村上と目を合わせる。
村上は無言のまま、穏やかに頷いた。
「いやぁ〜、まさか橘さんがあんなに優しくなるなんてなぁ」
河田が半ばからかうように言うと、航太は口角をわずかに上げたまま何も返さなかった。
その沈黙すら、仲間たちには肯定に聞こえる。
村上はそのやり取りを静かに見守っていた。
(本当に変わったな、橘さん)
警護という命を守る仕事の中で、彼が誰かを“大切に想う”という意味を、ようやく掴んだのかもしれない——
そんな気配が、その場の空気にやわらかく漂っていた。
旗野、松浦、河田、そして途中から補助についていた村上——
かつて紗良の警護についたメンバーたちである。
今日は政治・経済の動きに絡む最新のリスク、国内外のテロ情勢についての研修会。
定期的に実施されるこの集まりは、単なる知識のアップデートに留まらず、警護官同士のネットワークの再確認でもあった。
「おー、橘。久しぶりだな」
「最近は噂になってるぞ、お前」
旗野が笑いながら話しかける。
「橘、お前紗良さんを溺愛してるらしいな」
その言葉に、航太はほんの少しだけ眉を動かしながら、
「……なぜ知っている」と鋭い視線を返す。
すると、横から松浦がくすくすと笑いながら、
「だって〜、遠藤くんとか、たまに教えてくれるよね〜?ね、村上さん」
と、隣に座る村上と目を合わせる。
村上は無言のまま、穏やかに頷いた。
「いやぁ〜、まさか橘さんがあんなに優しくなるなんてなぁ」
河田が半ばからかうように言うと、航太は口角をわずかに上げたまま何も返さなかった。
その沈黙すら、仲間たちには肯定に聞こえる。
村上はそのやり取りを静かに見守っていた。
(本当に変わったな、橘さん)
警護という命を守る仕事の中で、彼が誰かを“大切に想う”という意味を、ようやく掴んだのかもしれない——
そんな気配が、その場の空気にやわらかく漂っていた。