【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
2人は、シンポジウムの合間の立ち話で、人目も気にせず穏やかなやりとりを交わしていた。
「本当に……今回は先生にお世話になってばかりで。娘のこと、ありがとうございます」
一ノ瀬大臣が頭を下げると、鶴田は手を軽く振って、
「いえいえ、医者として当然のことをしたまでです。それにしても——紗良さんの彼、橘さんは本当に頼りになりますね。医師であり、今は警護官まで……いずれ、こっちの世界に進出なんて?」
と、冗談めいて笑う。
一ノ瀬は吹き出すように笑いながら首を振った。
「いやいや、あの2人に政治の世界は合わないよ。そもそも興味もなさそうだしね」
鶴田は「そうですか」と笑いながらも、ふっと真顔になって続けた。
「でも……僕も同じような年頃の子供を持つ親として、あんなふうに娘さんを支えてくれる存在がいるって、本当に羨ましいと思いますよ。あの子なら、安心して見ていられます」
一ノ瀬はその言葉に頷き、少しだけ目を細めた。
「……そうだね。でもね、橘くんに娘を取られたみたいで、正直ちょっと寂しいんだけどな」
そう言って照れ笑いを浮かべると、鶴田は「それは……親心ですね」と穏やかに笑い返した。
静かに流れる空気の中で、男ふたりの想いが交錯する時間だった。
「本当に……今回は先生にお世話になってばかりで。娘のこと、ありがとうございます」
一ノ瀬大臣が頭を下げると、鶴田は手を軽く振って、
「いえいえ、医者として当然のことをしたまでです。それにしても——紗良さんの彼、橘さんは本当に頼りになりますね。医師であり、今は警護官まで……いずれ、こっちの世界に進出なんて?」
と、冗談めいて笑う。
一ノ瀬は吹き出すように笑いながら首を振った。
「いやいや、あの2人に政治の世界は合わないよ。そもそも興味もなさそうだしね」
鶴田は「そうですか」と笑いながらも、ふっと真顔になって続けた。
「でも……僕も同じような年頃の子供を持つ親として、あんなふうに娘さんを支えてくれる存在がいるって、本当に羨ましいと思いますよ。あの子なら、安心して見ていられます」
一ノ瀬はその言葉に頷き、少しだけ目を細めた。
「……そうだね。でもね、橘くんに娘を取られたみたいで、正直ちょっと寂しいんだけどな」
そう言って照れ笑いを浮かべると、鶴田は「それは……親心ですね」と穏やかに笑い返した。
静かに流れる空気の中で、男ふたりの想いが交錯する時間だった。