【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
試験当日、都内某所の警視庁敷地内に設けられた訓練施設には、緊張した面持ちの新人警護官たちが次々に集まっていた。
今日を乗り越えれば、彼らは晴れて警護任務の補助要員として、現場デビューを果たすことになる。
開け放たれた訓練場の端には、警護課の審査官たちが並んでいる。
審査委員長を務めるのは、警護課長の城田俊介。
鋭い眼光で新人たちを一人一人見定めるその姿に、空気がぴんと張り詰めた。
その隣には副課長の田嶋明、現場運用主任の小野寺翔、訓練担当の坂井圭一、さらに分析統括官の山根智子と、実力と経験を兼ね備えた5人の役職者が顔を揃える。
実技試験の進行を担うのは、現役SPの橘航太と松浦志帆。
二人はすでに何度も現場を共にしてきたベテランだ。
彼らの補助にあたるのは、若手だが確かな技術と冷静さを持つ村上遥と、機動対応に定評のある猪谷真。
航太が試験開始を告げる声が、場に響いた。
「それでは、警護実務者・最終実技審査を開始します。各員、緊張せず、現場と同様の意識で臨んでください。……構え!」
新人たちが一斉に動き出す。
想定シナリオは要人の急な動きに対する即応、爆発物らしき不審物発見時の退避誘導、第三者との接触阻止など複数。
航太と松浦はそれぞれの班に目を光らせ、村上と猪谷が要人役や不審者役を務める。
指示を飛ばす声、重なる足音、無線のやりとり。
誰一人として気を抜く者はいない。
審査官たちの視線が、それぞれの動作一つ一つを冷静に見つめていた。
松浦が静かに呟いた。「やっぱり現場に出せる子は、立ち姿から違うわね」
その言葉に航太も頷いた。「……だな。背中がブレない奴は、任せられる」
試験はまだ始まったばかりだ。
だが、この数十分の動きが、彼らの今後を決める。
静かで、確かな緊張が張り詰める中、訓練施設はまるで本番さながらの空気に包まれていた──。
今日を乗り越えれば、彼らは晴れて警護任務の補助要員として、現場デビューを果たすことになる。
開け放たれた訓練場の端には、警護課の審査官たちが並んでいる。
審査委員長を務めるのは、警護課長の城田俊介。
鋭い眼光で新人たちを一人一人見定めるその姿に、空気がぴんと張り詰めた。
その隣には副課長の田嶋明、現場運用主任の小野寺翔、訓練担当の坂井圭一、さらに分析統括官の山根智子と、実力と経験を兼ね備えた5人の役職者が顔を揃える。
実技試験の進行を担うのは、現役SPの橘航太と松浦志帆。
二人はすでに何度も現場を共にしてきたベテランだ。
彼らの補助にあたるのは、若手だが確かな技術と冷静さを持つ村上遥と、機動対応に定評のある猪谷真。
航太が試験開始を告げる声が、場に響いた。
「それでは、警護実務者・最終実技審査を開始します。各員、緊張せず、現場と同様の意識で臨んでください。……構え!」
新人たちが一斉に動き出す。
想定シナリオは要人の急な動きに対する即応、爆発物らしき不審物発見時の退避誘導、第三者との接触阻止など複数。
航太と松浦はそれぞれの班に目を光らせ、村上と猪谷が要人役や不審者役を務める。
指示を飛ばす声、重なる足音、無線のやりとり。
誰一人として気を抜く者はいない。
審査官たちの視線が、それぞれの動作一つ一つを冷静に見つめていた。
松浦が静かに呟いた。「やっぱり現場に出せる子は、立ち姿から違うわね」
その言葉に航太も頷いた。「……だな。背中がブレない奴は、任せられる」
試験はまだ始まったばかりだ。
だが、この数十分の動きが、彼らの今後を決める。
静かで、確かな緊張が張り詰める中、訓練施設はまるで本番さながらの空気に包まれていた──。