【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
「病院、行っておく?」
航太が声をかけると、紗良はふるふると小さく首を振った。

「行かない。……大丈夫、3日経てば治るから」
「でも熱、まだ高いままだし……」

航太が懸念を込めてそう言うと、紗良は少しだけ笑って、スプーンを口に運んだ。

「今までもね、何回かこういうのあったの。風邪っぽくないのに、突然高熱だけ出るの。でも3日くらいでケロッと治るのよ。……変な話だけど」

「一度、病院行ったこともあるけど、結局『風邪だと思いますよ〜』って言われて終わりだったの。検査もなくてさ」

「だから、たぶん行っても意味ないと思う」

「……それより、今日そばにいてくれるの嬉しい。ありがとうね、航太くん」

その言葉に、航太は黙って紗良の頭をやさしく撫でる。

「わかった。じゃあ、しばらく様子見よう。……でも、俺が気になるようなら、すぐ連れてくからな」

「うん」
紗良は目を細めて、ちょこんと小さく頷いた。
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