【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
装備室に、笑い声がまたひとつ転がる。
「でさ、紗良さんって家じゃどんな感じなの?」
松浦がロッカーの扉を閉めながら、橘の方を覗き込む。
「やっぱり警護のときより甘えてきたりするんでしょ?」
橘は少し間を置いてから眉を上げた。
「……そんなこと、興味あるんですか?」
「あるに決まってるでしょ?」
松浦は当然のように言い、バシバシと再び橘の肩を叩く。
「これは私の興味っていうより、警護課全体の関心ごとだから!」
「関心ごとって……」
呆れたように橘が返したとき、装備室の扉が開いて、旗野が入ってきた。
「お疲れさーん」
軽く手を上げて装備を戻しに来た旗野に、橘と松浦が声を揃える。
「お疲れ様です」
それでも松浦は諦めない。
「で、それで?」
と小声で続きを促してくる。
橘がチラリと旗野に視線を送ると、彼は何食わぬ顔で装備を外していたが、明らかに聞き耳を立てているのが分かる。器用にインカムを外しながらも、手が止まることはない。
「……可愛いですよ」
橘は観念したように、できるだけ真顔で言った。
「怒ってても、泣いてても、笑ってても。……いつでも可愛いです。まあ、加減のない甘え方には参りますけど」
するとすぐに、松浦が「きゃーっ」と甲高い声をあげて跳ねるように笑い、旗野も抑えきれずに吹き出した。
「ちょっと、橘さん、真顔で言うの反則でしょ!」
「いやいや、そんな甘さあるとは思ってなかったわ……!」
松浦と旗野の“乙女モード”なリアクションに、橘は呆れたようにため息をついた。
(……旗野さんまで乙女かよ)
心の中でそう毒づいたが、口には出さなかった。
「でさ、紗良さんって家じゃどんな感じなの?」
松浦がロッカーの扉を閉めながら、橘の方を覗き込む。
「やっぱり警護のときより甘えてきたりするんでしょ?」
橘は少し間を置いてから眉を上げた。
「……そんなこと、興味あるんですか?」
「あるに決まってるでしょ?」
松浦は当然のように言い、バシバシと再び橘の肩を叩く。
「これは私の興味っていうより、警護課全体の関心ごとだから!」
「関心ごとって……」
呆れたように橘が返したとき、装備室の扉が開いて、旗野が入ってきた。
「お疲れさーん」
軽く手を上げて装備を戻しに来た旗野に、橘と松浦が声を揃える。
「お疲れ様です」
それでも松浦は諦めない。
「で、それで?」
と小声で続きを促してくる。
橘がチラリと旗野に視線を送ると、彼は何食わぬ顔で装備を外していたが、明らかに聞き耳を立てているのが分かる。器用にインカムを外しながらも、手が止まることはない。
「……可愛いですよ」
橘は観念したように、できるだけ真顔で言った。
「怒ってても、泣いてても、笑ってても。……いつでも可愛いです。まあ、加減のない甘え方には参りますけど」
するとすぐに、松浦が「きゃーっ」と甲高い声をあげて跳ねるように笑い、旗野も抑えきれずに吹き出した。
「ちょっと、橘さん、真顔で言うの反則でしょ!」
「いやいや、そんな甘さあるとは思ってなかったわ……!」
松浦と旗野の“乙女モード”なリアクションに、橘は呆れたようにため息をついた。
(……旗野さんまで乙女かよ)
心の中でそう毒づいたが、口には出さなかった。