私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「どれほど手を尽くしても改善されない環境。誰にも手を差し伸べてもらえず、孤独に苦しむ俺の気持ちなど、わかるはずがない」

 なのに――。

「私はまだ、二人のことを何一つ知らないから。これからたくさん会話をして、もっと仲良くなりたい!」

 エルネットは太陽のような笑顔を浮かべて、俺に手を差し伸べた。
 あいつの許嫁である限り、仲良くなったところで、永遠には一緒にいられないと言うのにーー。

 わかっている。俺がいくら彼女と生涯添い遂げたいほど、愛していたとしても。
 エルネットは友人として、俺を気にかけてくれているだけなのだと。

 思わせぶりな態度をとって、誑かしているくせに。
 その自覚のない彼女は、なんて酷い奴なのだろう?

「先に産まれただけですべてを手にした貴様の顔など、見たくもない!」

 ――憎たらしい。妬ましい。
 俺の好きな少女の許嫁になった兄が。
 あんな奴、いなくなってしまえばいいんだ。
 そうすればあの子は、俺のものになる――。
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