私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
『第二王子、変わったわよね』
『昔は生気のない、人形のようだったのに……』
『どんどん頭角を表して。今では騎士団長にまで上り詰めたのでしょう?』
『凄いわよねぇ』
皇太子としての地位を約束されたあいつが、エルネットと逢瀬を重ねる間。
脇目もふらずにただ前だけを向いて走り続けた成果は、思ったよりも早く実を結ぶ。
俺は飛び級で聖騎士団に入団し、わずか2年で、騎士団長の座まで上り詰めた。
孤独だった俺にも、今には信頼のおける部下達ができた。
あとは彼女さえ手に入れば、薔薇色の人生は約束されたようなものだ。
どのタイミングで、エルネットに対する愛を打ち明ければいいか……。
虎視眈々とその時を待ちわびていると――思わぬところから、願ってもみない提案を受けた。
「このまま、エルネットと結婚するのは……。卑怯だと思うんだ」
許嫁の座を俺に譲ることもせず、享受してきたくせに。
最後の最後で俺に同情して、身を引くような発言をするなど――どうかしているとしか思えなかったが……。