私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「レオドールの目に余るような行動があれば、僕にいつでも相談して。エルネットなら、いつでも大歓迎だから」

 優しい微笑みを浮かべる優男の顔面を殴ってやれたら、どれほどよかったことか。
 俺は拳を握りしめてどうにかその怒りを鎮めると、姿を消した彼女に向かい、後悔の言葉を口にした兄の声を耳にした。

「こんな思いをするくらいなら、手放さなければよかったな……」

 ーーもっと絶望しろ。
 俺が受けた苦しみや悲しみは、この程度では到底贖いきれないものだ。

 エルネットは絶対に、貴様の元には戻らない。
 最後に笑うのは、この俺だ。

 醜い感情をすべてぶちまけてやりたい気持ちをどうにか抑え込んだ俺は、愛する彼女の元へ向かった。
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