私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 ――抱きまくらになるか、自室で添い寝をするか。
 二者択一を迫れば、エルネットは前者を選んだ。

 こうして長い間、思いを通じ合わせる前に至近距離で彼女のぬくもりを堪能する機会が訪れるなど思わない。

 一生このまま、こうして密着しあっていられたら。
 どれほどよかったことかーー。

 魔術の才に恵まれなかった自分が、憎くて仕方なかった。

 ――だが、そのおかげで騎士団長としての地位に就けたと思えば、悪い気はしない。

 この想いが彼女に届かなかったら。
 エルネットが兄を選び、結ばれたいと願うのならば――。

 あの子と想いを通じ合わせようと試みるのは、諦めるしかない。

 長年鍛え抜いてきた肉体を遺憾なく発揮し、彼女を力強くで組み伏せることになるだろう。

 手足を拘束し、魔術の使用を禁じる。
 恐怖に怯える彼女の涙を舐め取り、俺だけしか頼れない状況を生み出せば――。

 外面だけはいいあんな男など、すぐに忘れるはずだ。
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