私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「うぅ……。なんで私があいつのことで、こんなに頭を悩ませなきゃいけないの……?」
「素直にならんからに、決まっておるだろう」
「だって……。私の好意を断ったのは、レオドールのほうが先なんだよ? 今から挽回なんて、無理だって……」
「照れ隠しだとは、思えんのか」
「うーん……」
「……はぁ。殿下がかわいそうで、見てられん……」

 だったら私と、代わってよ! 
 そう言いたくなる気持ちをぐっと堪えたのは、ラボ長が男性だったからだ。

「あーあ。レオドールが私よりもべた惚れするくらいの美少女が、空から降ってこないかなぁ……」
「絶対無理だ。諦めろ」
「う……っ」

 ついつい口から飛び出た願望でさえも、ガデムに却下された。
 これじゃ愚痴すらも、口にするのが困難になりそうだ。

 レオドールがマリンヌを好きになってくれたらよかった。

 そしたら私は色恋沙汰に振り回されず、美少女とイケメンの絡みを遠くから見つめる壁になれたのに……。

「うまくいかない、なぁ……」

 普通転生すれば、すべてが順風満帆に進むんじゃないの? ほら。最強設定って、流行っているし。
 まさかこんなに苦しい思いをするなんて、考えもしなかった。
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