私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「う……。ぎぼじばぶい(気持ち悪い)……」

 ーー最終的に、身体のほうが悲鳴を上げた。

 口元を抑えて湧き上がってきた気持ち悪さに堪えていれば。
 こいつは慣れた手つきで私の背中を擦り、床に横たえた。

 ――なんでこんなに、手慣れてんの……?

 彼はどうやら、案外面倒見がいいようだ。
 この時初めて気づかされた衝撃の事実を受けた私は、そのギャップにハートを撃ち抜かれそうになりながら。
 どうにか身体の奥底から胃液が湧き上がるのを抑え込むと、潤んだ瞳で心配そうにこちらを観察するレオドールを見上げた。

「なんでこんなに、優しくしてくれるの……?」
「愛する人が具合の悪い時、寄り添わないでどうする」
「だって、今までは……」
「ふん。手のかかる子どもに優しくするのは、大人として当然だろう」
「……私と3つしか、違わないくせに……」

 大人と称するのは、かなり語弊があるんじゃないの?

 そう思いながら、恨み言を口にすれば。
 彼はそれを豪快に笑い飛ばす。
 その後安心させるように肩越しまでの短い髪を、優しく手櫛で梳かし始めた。
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