私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 いつの間にか、婚約を了承した扱いになっているし……。
 ツッコミどころが満載過ぎて……。
 どこから口を挟んでいいのかすらも、よくわかんないんだけど……。

「レオドール」

 これ以上は、過剰防衛だ。
 いくら第二王子といえども、この国で一番偉いのは国王だから。
 大目玉を食らう前に彼を止められるのは――私しかいない。
 そう判断して、あいつの名を呼べば。
 レオドールはピタリと動きを止めると、恐る恐るこちらを見つめた。

「私がいつ、あんたの婚約者になったの?」
「エルネット!」

 あいつは私の名を大声で呼ぶと、ラボ長を突き飛ばして一目散に胸元へと飛び込んでくる。
 その勢いは、とんでもない。
 せっかく上半身を起き上がらせたのに、また地面に伏したレベルなんだけど……。

「一夜をともにした、仲だろう……!」
「そりゃ、添い寝はしたけどさ……。誤解を生むような発言、しないでよ!」
「よかった……。無事で……。俺は、エルネットがいなくなったら……どうしようかと……」
「その割には、襲いかかる男性をボコるのに夢中だったみたいだけど」
「安全確保が、最優先だと考えた。その結果があれだ」

 何か問題でもあるかって顔をしながら、ドヤられても困るんだけど……。
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