私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 ーー私達が罵り合うのは、互いの発言が気に食わない時だけ。

 利害が一致すれば、穏やかに話はできるはずだーー多分。
 私の予想が正しければ、だけど……。

「ガデム。あとは任せた」
「承知いたしました」
「行くぞ」

 レオドールは私の指先を離れないように強く握りしめて絡め合うと、手首のブレスレットに触れた。

 ーーあれは確か……。転移魔法具……?

 これって確か、魔術師の魔力と干渉し合うから。
 私達は使用を禁じられていたはずじゃ……!?

「え、ちょっと。待……」

 私が静止するよりも早く。
 無常にも転移魔法は成功しーー私は身体の中に入り込んできたアルベールの魔力に不快感を感じて、左手で口元を押さえつけながら。
 見慣れぬ部屋に、辿り着いた。
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