私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「命令に背く者は、罰を与える!」

 さすがにここまで言われたら、従わずにはいられないのだろう。
 彼らはパートナーとともに、渋々会場内をあとにし始めた。

 ――どうする?

 その様子を横目に、私は必死に対応策を考える。

 同僚達が駆けつけてさえくれれば、外に出た貴族達の浄化は任せておけばいい。
 問題は、それまで誰一人呪詛に呑まれず五体満足でいられるか――。

「エルネット! しっかりしろ!」

 心ここにあらずな様子で、考えを巡らせていたからか。
 レオドールに怒鳴りつけられ、私は慌てて状況を再確認する。
 参加者達の9割が避難に成功した会場には、黒い靄を纏った二組の男女が残っていた。

 俯いていた彼らはゆっくりと顔を上げると、こちらに向かって襲いかかってくる。

「く……っ」

 レオドールは私を背に庇い、すぐさま己の拳を使って交戦し始めたが――。
 四方八方を囲まれる形では、実力の半分も出せないようだ。
 私は明らかに、足手纏いだった。
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