私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 ベッドに押し倒した私の上に覆いかぶさってきた彼の瞳には、アルベールに対する嫉妬の炎が燃え上がっている。
 少しでも気を抜けば、まだ皇太子を好きだと勘違いされーー身体から籠絡されてしまいかねない。
 そんな、危険的状況に追い込まれていた。

「あの、さ。この間の黒魔術騒ぎで、私はあんたの婚約者になったでしょ?」
「王の前で口にした冗談は、一体どう言うつもりだ」
「あれは、思わぬ状況で言質が取れたから、つい……」
「貴様があの男を、まだ気にしているからこそ、口にした言葉なんだろう」
「だから。勝手に私の気持ちを、決めつけないでよ……」
「それが嫌なら、はっきりと宣言するんだな。あいつではなく、俺を好きだと」

 それは、まだ……。認めたくないって、言うか。さ?
 複雑な乙女心を白日の元に晒そうと、しないでほしいよね。
 まだ黒魔術騒ぎは終わっていないわけだし……。
 落ち着いてからゆっくりと、関係を深めていけばいいじゃん。
 なんでそんなに焦るかな……。
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