私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「ごほ……っ。ごほ、ごほ……」
――最近、起きているのもつらくなってきた。
これは闇の魔力に身体が侵食を受けている証拠だ。
わたしはおそらく、長くはないだろう。
このままじゃ、アルベール様とお姉さまが結婚してしまう!
そんなの、絶対に嫌だ。
彼は、わたしのものなのに。
ヒロインの座を奪い取っただけで、どうして満足してくれないの?
お姉さまに直接文句を言ってやりたい気持ちでいっぱいだったけれど、言うことを聞いてくれない身体を這いずって彼女の元へ向かったところで、ただ体力を消耗するだけだ。
なんの意味もないとわかっていたから、実行はしない。
そんな暇があるなら、この世界に黒魔術を蔓延させ――お姉さまを間接的に始末したほうが、よっぽど有意義な時間を過ごせる。
そう、思っていた。
――あの時までは。
「マリンヌ。僕の、婚約者になってほしい」
何を言われているか、さっぱり理解できなかった。
ある日突然姿を見せたアルベール様は、わたしにそう提案して来たのだ。
歓喜に打ち震えた身体を鎮めるために、拳を強く握りしめながら。
わたしは事実確認のため、あの女の話題を口にした。
――最近、起きているのもつらくなってきた。
これは闇の魔力に身体が侵食を受けている証拠だ。
わたしはおそらく、長くはないだろう。
このままじゃ、アルベール様とお姉さまが結婚してしまう!
そんなの、絶対に嫌だ。
彼は、わたしのものなのに。
ヒロインの座を奪い取っただけで、どうして満足してくれないの?
お姉さまに直接文句を言ってやりたい気持ちでいっぱいだったけれど、言うことを聞いてくれない身体を這いずって彼女の元へ向かったところで、ただ体力を消耗するだけだ。
なんの意味もないとわかっていたから、実行はしない。
そんな暇があるなら、この世界に黒魔術を蔓延させ――お姉さまを間接的に始末したほうが、よっぽど有意義な時間を過ごせる。
そう、思っていた。
――あの時までは。
「マリンヌ。僕の、婚約者になってほしい」
何を言われているか、さっぱり理解できなかった。
ある日突然姿を見せたアルベール様は、わたしにそう提案して来たのだ。
歓喜に打ち震えた身体を鎮めるために、拳を強く握りしめながら。
わたしは事実確認のため、あの女の話題を口にした。